辣油の読書記録

現代を生きる若造の主に読書記録。その他の事も書くかもしれない。

2017-01-01から1年間の記事一覧

三島由紀夫作品に見る"死"の断片

1925年1月14日、鮮烈な人生を、誰よりも早く駆け抜けた一人の知識人が、四谷に生まれた。三島由紀夫である。彼はほとんど昭和が始まると同時に生まれ、日本が、良くも悪くも様々なことを経験した時期と共に生きた。そしてこの知識人は1970年11月25日、切腹し…

#35 『英単語の世界』感想

寺澤盾『英単語の世界』 中公新書 最近よく本棚の並びが私、気になります。私はなるべく多くの本を棚に収納したいので文庫本の段や新書の段、大きい本の段という風に大きさによって段ごとに分けて使っているんですが、そうすると関連のある本数冊をまとめて…

#34 『茶の本』感想

岡倉天心『茶の本』 講談社学術文庫 今回のこの本、知ってる方もおられると思いますが、この本は元々英語で書かれたものであり、原題を『The book of tea』、岡倉天心(覚三)が東洋の茶道文化や美意識を欧米に伝えんとして書いたものです。私は勿論日本語で読…

#33 『風姿花伝』感想

世阿弥『風姿花伝』 岩波文庫 今回はいかにも古典という感じの作品ですね。こういう作品を数多く出版する岩波書店さん、本当にありがとうございます。これからも沢山買い続けるので沢山古典を出版して下さい、お願いしますよ。ということで岩波書店さんへの…

#32 『ゾウの時間 ネズミの時間』感想

本川達雄『ゾウの時間 ネズミの時間』 中公新書 こんにちは、「やし酒のみ」の感想をもう少し真面目に書けばよかったと後悔している辣油です。あれは流石に短すぎますよね。でも大目に見て下さい。仕方ないですよ、今まで幻想文学読んだことないんですから。…

#31 『はじめての構造主義』感想

橋爪大三郎『はじめての構造主義』 講談社現代新書 最近画像をアップするのが億劫に感じてきたので著者・出版社を明記することにしました。題名が被ってる書物なんて世の中幾らでもありそうですからどの本を読んだかはきちんとアクセスできた方が良いと思い…

#30 『英語達人列伝』感想

斎藤兆史『英語達人列伝』 中公新書 どうもどうも。思ったんですけど、本が好きな人って何日に1冊のペースで読めるんですかね?まあこんな疑問は日に3度くらい考えますけど、高校時代、友人の担任が週に3,4冊のペースで読むべきだと言っていたらしいのです…

#29 『魂をゆさぶる歌に出会う』感想

ウェルズ恵子『魂をゆさぶる歌に出会う』 岩波ジュニア新書 以前話したかどうかは覚えていませんが、自分はラップやヒップホップの様なアングラに近い文化を学問的に捉える学者を探していました。本屋はうろついてみるもんですね。居ましたよ居ました、あな…

#28 『やし酒のみ』感想

エイモス・チュツオーラ『やし酒のみ』 岩波文庫 今回は私が恋い焦がれて3世紀、念願のアフリカ幻想文学という超マイナー分野、エイモス・チュツオーラの作品、「やし酒飲み」です。一部の人からするとマイナーでもなんでもないのかも。しかし設定からもう好…

映画「モテキ」考

テンション上がってうっかり万葉考みたいなタイトルを付けてしまいました、辣油です。今までは本についての内容ばかりで退屈だったでしょうが今回は私が愛して、むしろ絶対に離れることが出来ない映画、「モテキ」に関して話したいと思います。久しぶりにGE…

#27 『野火』感想

大岡昇平『野火』 新潮文庫 今回は戦争作品の金字塔、大岡昇平の「野火」を読みました。金字塔といっても自分はいくつも戦争作品を読んだ訳ではなく、今回が最初です、アハハ。金字塔という言葉を使いたかっただけなんですね。お目汚し失礼。自分はこれがど…

#26 『ドン・ジュアン』感想

モリエール『ドン・ジュアン』 岩波文庫 今回は17世紀フランスの劇作家、俳優であるモリエールの「ドン・ジュアン」を読みました。ドン・ジュアンは今回の戯曲の主人公である放蕩な貴族の名前であり、その従者スガナレルを連れて妻エルヴィールから逃げ出す…

#25 『セクシィ・ギャルの大研究』感想

上野千鶴子『セクシィ・ギャルの大研究』 岩波現代文庫 本当にお久しぶりです。自分がブログを更新していなかったのに特に意味はありませんが。正月、収入が少し増えるのを利用して買い出しに行ってきましたよ、全く。何て愉しいんだ。色々見つけて買うこと…