#8 『狂人日記』感想
前回の更新遅れを取り戻すが如く更新の早い今回は魯迅の「狂人日記」です。魯迅といえば「漢字が滅びなければ中国は滅ぶ」という言葉を残した話が有名ですがその意味を私が理解するにはまだ早そうですね。歴史上日本に最も影響を及ぼしたと言っても過言ではない中国という国を一度くらい見てみたいものですナァ。ということで本題に入ります。
#7 『栽培植物と農耕の起源』感想
殆どいないに等しい当ブログ読者の皆さん、更新の大幅な遅れが観測されたと思いますがそれは幻ですよ幻。気にしないでくださいね。なんか新書になった途端遅くなったんですよね。読むのが。今回は多少学術系の話題でもあるので多分読むスピードと頭の働きが反比例したんでしょう。許してください。
#6 『偸盗』感想
今回は芥川龍之介の「偸盗」ですね。この本はどこかで読まされた気がするんですがあの時の自分の集中力では偸盗程度の作品すら読めなかったんですかね。にしても司馬遼太郎の作品は幾つか読んでいたので多少不思議です。情けないもんですが。取り敢えず途中まで読んで本棚で何年か放置されていたのでこの機会に私が拾いなおした訳です。取り敢えず小説はこれで読むのを一旦辞めようかと思っているのですが先日父親からの小説文庫本大量供給を受けてしまいました。自分の金で買わなくていいので誠にありがたい話ですがノルマが増えてしまいましたね。雑談はこの辺にしておきます。
#5 『母を恋うる記』感想
高が一冊の文庫本程度でいつまで谷崎作品で引っ張るんでしょう。全く情けない話ですがこれが最後なので許して下さい。これが終わったらあと一作品だけ小説を読んだら私は思想の勉強をしようと思っていますので、いないであろうこのブログの読者集合φの皆さんは楽しみにしていて下さいね。
#4 『二人の稚児』感想
今回も同じ本から「二人の稚児」という作品です。この作品は自分にはそこまで響きませんでした。恐らく自分が、心に響くだけの器ではないからでしょう。まず第一にこの作品の要がどこにあるのか全く知ることができない。美しい情景の描写というよりかは、人間が誘惑に呑まれていく様をある種滑稽に描いているように思います。こう書くと兄千住丸の姿がありありと浮かぶようですが私はそれだけでは済まさない。千住丸が淫蕩に溺れていく様を比叡の中から侮蔑しつつもやはりその心を捨てきれない瑠璃光丸。確かにこれは仏道から見た煩悩の最たるものであろう。最終的に瑠璃光丸は屈強な精神力、仏道に忠実であろうとする心によって比叡山内に止まり、物語を書き終えた後も高名は僧になるということは想像がつく。瑠璃光丸はその歳の若さ故か煩悩を断ち切る為に千住丸を見下し、「血は争えない」という言葉を胸に兄を見下すが、これも煩悩だということに本人は気づかない。仏道修行とはいえ人を見下すことで得る優越感は良いはずがない。煩悩にまみれている自分でもその位は分かる。しかもこの葛藤の根源にある「見たこともない比叡の外の女」の存在が最後までに瑠璃光を惑わしていることも分かります。それは何故というと最後の部分、夢で告げられた「前世でお前の事を好いていた女が鳥に姿を変えて比叡山の山頂で傷を負っている」という瑠璃光の惑いの根源にある女の存在がとうとう仏道に混じって出てきている。全く面白すぎる。ここを読んでいる時声を出して笑いましたよ。どれだけ女のことが気になっているんだ。お前も比叡山を降りて淫蕩に耽る日々を送ってもいいじゃないか、って感じですね。淫蕩からのファーストコンタクトにギリギリ耐えるもやはり我慢できなかった童貞の話だったのでしょうきっと。自分にはまだこの作品は早すぎた。
#3 『少年』感想
今回は谷崎潤一郎の「少年」という作品です。刺青っていうと「ああ〜」みたいな反応されることが多いのでそっちの方が有名なんでしょう。自分はまだまだ未熟者の童貞なので「刺青」を読んでもイマイチピンとこなかった、というのが大雑把な感覚です。しかしこの作品はビリビリ来ましたね。この2日で谷崎作品を3作品読ませて頂きましたが、いずれも根底を流れるテーマとして"衝動"というのが挙げられているように思います。「刺青」では美への追求衝動、「少年」ではサディズムとマゾヒズムへの無意識の衝動、「幇間」では人の下に居るという一種のマゾヒズム、がテーマになっているんではないでしょうか。特にこの「少年」という作品においては、子供ならではの"無意識なエロティシズムを薄く含んだ快い衝動"がよく表現されており感動しました。何故感動したのか考えましたがやはり、誰しもが幼い頃経験したことのあるエロへの接触、無意識な歪みや快感といったものに依るところが大きいのではないでしょうか。
#2 『刺青』感想
今回は谷崎潤一郎の「刺青」です。この作品は非常に短く前回の金閣寺の余韻に浸る間もなく読めてしまいました。自分は長編とかだとすぐに飽きが来てしまってダメな人間なのでショートショ、くらいの短かさが丁度いいんですよね。ショートショートだと短かすぎるんです。まあ微妙なラインですし一学生風情が何をほざくんだと言われてしまいそうですが。自分の知り合いに、ラノベまでは行かない軽めの小説を読みまくってる奴が居るんですがどうして読もうと思えるのか疑問でならないんです。好みは人それぞれなので何も言いはしませんが、何故なのか。名著と言われている谷崎や三島を読んだほうが身になりそうな感じしますよね。実際のところは読む側の受け皿によると思いますが、自分がそういった名著を読みたがる理由はそこにあるんではないですかね、多分。薄っぺらいですね。