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辣油の四方山記

現代を生きる若造の主に読書記録。その他の事も書くかもしれない。

#26 「ドン・ジュアン」感想

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モリエール『ドン・ジュアン』 岩波文庫

今回は17世紀フランスの劇作家、俳優であるモリエールの「ドン・ジュアン」を読みました。ドン・ジュアンは今回の戯曲の主人公である放蕩な貴族の名前であり、その従者スガナレルを連れて妻エルヴィールから逃げ出す所から始まります。エルヴィールから逃げ出すと言っても恐妻なのではなく、単に飽きたからという理由です。逃げる道中、二人は田舎には入りますが、やはりそこでも二人の娘と関係を持とうとします。ドン・ジュアンは途中、「結婚するまでが自分の仕事、私の心を留めておくのは女の仕事」という一見深いことを言っていますがよく考えてみれば微塵も深くないし、ただの酷い奴だと分かる。何なんだろうかこの男は。しかし読んでいて全くモテない自分からしても嫌味が無い。寧ろ応援すらしたくなる。彼は父親のドン・ルイからもその性格故に嫌われているがやはり男心が応援したくなるのは彼に勇敢さが備わっているからでしょうか。劇中、エルヴィールを誑かしたことでドン・ジュアンを殺さんとするエルヴィールの兄弟、ドン・カルロスに出会うも、彼が追剝ぎに襲われていたときには助太刀をして追剝ぎを撃退した。この作品が最後まで軽快に、愉快に終わることができているのはこういった理由からなのか。

自分は戯曲を読むのは初めてですが、シェイクスピアの「ハムレット」を読んだ父が戯曲を書いた単行本のことを全く面白くないと言っていたのを思い出しました。自分は普通に楽しめましたけどね。「ハムレット」を読んだことはないがその作品が父に合わなかっただけなのではないのか。この作品の中で面白いのは幽霊や石像が役として登場するということですかね。しかし"アブノーマルな蹲踞の姿勢の男"が出てくる小説もある位だから石像程度屁でもないかな。本当軽快で良かった。小学生並みの感想しか持たないがそういうこともあるでしょう。

ここでブログを終わる、ということは辣油魂が許さないのでもう少し書きましょう。完全に自分のせいですがこの作品に大した感想を抱いていないので作品の背景などを調べました。ドン・ジュアンというのは元々スペインの伝説で、これがイタリアに伝わってからコミカルな要素が加えられて宗教色が薄まったらしいですね。そういえばモリエールって「病は気から」の作者でもあるんですね。今度読んでみたいなぁ。